知育

フロプシーのこどもたちのおはなし【全文読み聞かせ・音声つき】

著作権が切れた原書から当サイトが新しく訳した「フロプシーのこどもたち」全文を、原書の絵と朗読音声つきで読み聞かせできます。ピーターラビットシリーズの、こうさぎ6ぴきのおはなしです。

公開日: 2026/7/10

フロプシーのこどもたちのおはなし 原書イラスト
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「フロプシーのこどもたち」(ビアトリクス・ポター作、1909年)は、大人になったベンジャミン・バニーとフロプシーの、6ぴきのこどもたちのおはなしです。作者の没後70年以上が経ち、原書の文章と絵の著作権が切れているパブリックドメイン作品なので、このページでは原書から当サイトが新しく訳した全文を、ポター自身が描いた原書の絵と朗読音声つきでお届けします。訳文は1〜3歳への読み聞かせを想定して、短い文のリズムにしています。

レタスを食べすぎてねむってしまったこうさぎたちの、ひやひや、くすっとわらえるおはなしです。じっと座って聞ける長さではない日もあるのが自然なので、途中でやめても大丈夫です。

音声で聞く(朗読)

朗読音声ファイルを直接開く(AI音声で生成した朗読です)

おはなし本編

レタスをたくさん食べると、ねむくなるんですって。わたしは、レタスでねむくなったことはありません。でも、わたしは、うさぎではありませんから。フロプシーのこどもたちには、レタスは、とてもよくきいたのです。

レタス畑のこうさぎたち

ベンジャミン・バニーは、大きくなって、いとこのフロプシーと、けっこんしました。こどもがたくさん生まれて、みんなのんきで、にぎやかな家族です。こどもたちの名前は、ひとりずつは、おぼえていません。みんなまとめて、「フロプシーのこどもたち」と、よばれていました。

ベンジャミンとフロプシーの家族

ごはんが足りない日は、ベンジャミンが、フロプシーのおにいさんのピーターに、キャベツをかりにいきました。ピーターは、はたけで、花やなえを育てていたのです。

ピーターのはたけをたずねるベンジャミン

でも、ピーターのところにも、キャベツがない日があります。

キャベツがない日のピーター

そんな日、フロプシーのこどもたちは、野原をわたって、ごみすて場にいきました。マグレガーさんの畑のそとの、みぞの中です。ごみすて場には、ジャムのびんや、紙ぶくろや、かりとった草の山。ある日——なんと、大きくのびすぎたレタスが、どっさり、すててあったのです。

ごみすて場へ向かうこうさぎたち

フロプシーのこどもたちは、レタスを、おなかいっぱい食べました。すると、ひとり、またひとり、ねむくなって、草の上に、ごろん。

レタスを食べてねむくなるこうさぎたち

ベンジャミンおとうさんは、こどもたちほど、ねむくありませんでした。ねるまえに、あたまに紙ぶくろをかぶります。はえよけです。

紙ぶくろをかぶるベンジャミン

こどもたちは、あたたかいお日さまの下で、すやすや。とおくから、草かりきの音がきこえます。そのごみの山を、小さな年よりのねずみが、ちょろちょろ歩いていました。名前は、トマシナ・チチネズミさんといいます。

ねむるこうさぎたちと小さなねずみ

ねずみさんが、紙ぶくろを、かさかさっとふんで、ベンジャミンが目をさましました。ねずみさんは、「ごめんなさいね」と、ていねいにあやまりました。ピーターとは、知りあいなんですって。

ベンジャミンとあいさつするねずみさん

ふたりが、かべの下でおしゃべりしていた、そのときです。あたまの上で、ずしん、ずしんと足音がして——マグレガーさんが、かりとった草を、ふくろごと、どさーっ!ねむっているこどもたちの、まうえにあけたのです。ベンジャミンは、紙ぶくろの中にちぢこまり、ねずみさんは、ジャムのびんにかくれました。

草をあけるマグレガーさん

こどもたちは、草のシャワーの下で、にこにこしたまま、すやすや。レタスのおかげで、ちっとも目がさめません。「おかあさんが、ふとんをかけてくれてるんだ」という、ゆめを見ていました。マグレガーさんは、ふと、下を見ました。草のあいだから、ちゃいろい耳の先が、ぴょこぴょこ。じーっと、見つめます。

草の中からのぞく耳の先

やがて、はえが1ぴき、耳にとまって——耳が、ぴくっ。マグレガーさんは、ごみの山に、おりてきました。「いち、にい、さん、しい、ごお、ろく!こうさぎが、6ぴき!」。そう言って、こどもたちを、ふくろに入れてしまいました。こどもたちは、「おかあさんが、ねがえりさせてくれてるんだ」という、ゆめの中。まだ、目がさめません。

こうさぎをふくろに入れるマグレガーさん

マグレガーさんは、ふくろの口をしばって、へいの上におきました。そして、草かりきを、かたづけにいきました。

へいの上におかれたふくろ

そのあいだに、おかあさんのフロプシーが、野原をわたって、やってきました。ふくろを、じろじろ。「みんな、どこへいったのかしら?」

ふくろをじろじろ見るフロプシー

ねずみさんが、ジャムのびんから出てきて、ベンジャミンも、紙ぶくろをぬぎました。ふたりは、かなしいできごとを話しました。ふくろのひもは、かたくて、どうしてもほどけません。でも、チチネズミさんは、かしこいねずみ。ふくろのすみっこを、かりかりかじって、あなをあけました。

ふくろをかじってあなをあけるねずみさん

こどもたちをひっぱりだして、ほっぺを、つんつん。やっと、目がさめました。おとうさんとおかあさんは、からっぽのふくろに、くさったかぼちゃを3つと、古いブラシと、しなびたかぶを2つ、つめこみました。

ふくろから助け出されるこうさぎたち

それから、みんなでしげみの下にかくれて、マグレガーさんを見はりました。

しげみの下から見はる家族

マグレガーさんが、もどってきました。ふくろを持ちあげて、ずっしり、おもそうにさげて、はこんでいきます。フロプシーのこどもたちは、そーっと、あとをつけました。

ふくろをはこぶマグレガーさんとあとをつける家族

マグレガーさんは、おうちに入っていきました。みんなは、まどの下にしのびよって、耳をすまします。

まどの下で耳をすますこうさぎたち

マグレガーさんは、ふくろを床に、どすん。もし、こどもたちが入っていたら、とてもいたかったでしょう。いすをひきずる音がして、マグレガーさんの、うれしそうな声がきこえます。「いち、にい、さん、しい、ごお、ろく!こうさぎが、6ぴきだぞ!」

ふくろを床におくマグレガーさん

「え?なんですって?」と、奥さん。「こうさぎが6ぴき!」と、マグレガーさんは、ゆびをおって数えます。「いち、にい、さん——」「ばかなこと、言わないでちょうだい」「ほんとうだって!ふくろの中に、6ぴき!」。そのとき、いちばん小さいこうさぎが、まどのふちに、よじのぼりました。

まどのふちにのぼるいちばん小さいこうさぎ

奥さんは、ふくろをさわってみました。「たしかに、6つあるわね。でも、かちかちで、かたちも、ばらばらよ」。ふたりは、うさぎをどうするかで、言いあいになりました。

ふくろをさわる奥さん

奥さんが、ふくろのひもをほどいて、手を入れました。さわったのは——くさった、かぼちゃ。奥さんは、かんかんにおこりました。「あなた、わざとやったのね!」

ふくろの中身におこる奥さん

マグレガーさんも、かんかんです。かぼちゃがひとつ、まどから、びゅーんととんできて——いちばん小さいこうさぎに、こつん。ちょっと、いたかったです。

まどからとんできたかぼちゃ

ベンジャミンとフロプシーは、「そろそろ、帰りましょう」と思いました。

おうちへ帰る家族

マグレガーさんの、もくろみは、はずれました。奥さんの、もくろみも、はずれました。そして、つぎのクリスマス。チチネズミさんには、うさぎの毛糸が、どっさりとどきました。マントと、ずきんと、りっぱなマフと、あったかいてぶくろが、できましたとさ。おしまい。

毛糸のマントとずきんのチチネズミさん

出典と権利について

気に入ったら、紙の絵本でも

このおはなしは、市販の「ピーターラビットの絵本」シリーズ(福音館書店)の3冊セットにも収録されています(「ピーターラビットのおはなし」「ベンジャミン バニーのおはなし」「フロプシーのこどもたち」の3冊組)。シリーズを通して楽しむなら、紙の絵本を手元に置くのがおすすめです。

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